新潟県の公立高校入試制度(2025年度・令和7年度)は、「特色化選抜」と「一般選抜」の2つの方式で構成されています。以下に、それぞれの選抜方法の概要をまとめます。
🟦 特色化選抜(2月実施)
一部の県立高校・学科で実施される選抜方式で、主にスポーツ・文化・科学分野などで特筆すべき実績を持つ生徒が対象となります。
-
出願期間:2025年1月31日(金)~2月4日(火)
-
選抜日:2025年2月10日(月)
-
合格発表日:2025年2月13日(木)
-
選抜方法:
-
学力検査は実施されません。
-
面接や実技検査、PRシートなど、学校ごとに異なる選抜方法が採用されます。
-
中学校長の推薦が必要です。
-
-
内申点の算出方法:
-
中学1年生から3年生までの9教科(英語、数学、国語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)の評定を各学年45点満点で評価し、合計135点満点を1000点満点に換算します。
-
🟨 一般選抜(3月実施)
新潟県内の全ての公立高校で実施される選抜方式で、学力検査と調査書(内申点)を基に合否が判定されます。
-
出願期間:2025年2月17日(月)~2月19日(水)
-
志願変更期間:2025年2月25日(火)~2月27日(木)
-
学力検査日:2025年3月5日(水)
-
学校独自検査日:2025年3月6日(木)
-
追検査日:2025年3月10日(月)・3月11日(火)
-
合格発表日:2025年3月13日(木)
-
学力検査科目:
-
英語(リスニング含む)、数学、国語、理科、社会の5教科(各100点、計500点満点)
-
一部の学校・学科では、特定教科の得点を2倍にする「傾斜配点」が適用されます。
-
-
学校独自検査:
-
面接、実技検査、課題作文、PRシートなど、学校ごとに異なる検査が実施される場合があります。
-
-
内申点の算出方法:
-
特色化選抜と同様に、中学1年生から3年生までの9教科の評定を各学年45点満点で評価し、合計135点満点を1000点満点に換算します。
-
-
合否判定:
-
学力検査、内申点、学校独自検査の結果を総合的に評価し、合否が判定されます。
-
学校・学科によって、学力検査と内申点の比重が異なる場合があります。
-
🟩 自己申告書制度
中学校在学中に欠席日数が多い生徒(30日以上)や、教育支援センター(フリースクール等)への通所日数が多い生徒は、「自己申告書」を提出することで、欠席の理由を説明することができます。この申告書の内容によって不利になることはありません。
🟪 二次募集(3月実施)
一般選抜後、定員に満たなかった学校・学科で実施される追加募集です。
-
出願期間:2025年3月17日(月)~3月18日(火)
-
学力検査日:2025年3月19日(水)
-
合格発表日:2025年3月21日(金)
-
対象者:一般選抜でいずれの高等学校にも合格していない者。ただし、県内私立高校の入学者選抜に合格している者も出願可能です。
📝 特記事項
-
第2志望制度:同一校の学科間や専門教育を主とする学科の小学科間、コース制をとる普通科で、第2志望を志願できる場合があります。
-
出願方法:出願はウェブ出願システムを通じて行われます。
-
調査書の作成:中学校では「調査書作成委員会」を設け、調査書の作成に厳正を期します。
新潟県の公立高校入試制度は、特色化選抜と一般選抜の2本立てで構成されており、特に一般選抜では学力検査と内申点のバランスが重要です。また、学校・学科によって選抜方法や配点比率が異なるため、志望校の選抜方法を事前に確認し、計画的な準備が求められます。
詳細な情報や最新の入試要項については、新潟県教育委員会の公式サイトをご確認ください。
倍率など
以下は、新潟県公立高校の一般選抜における、直近3年間(令和5~7年度)の実質倍率が高かった学科・コースの上位校を年度別にまとめたものです。
🏫 令和7年度(2025年度) 最終倍率上位校
学校名・学科 |
募集人数 |
志願者数 |
実質倍率 |
---|---|---|---|
新潟高校 理数科 |
40人 |
83人 |
2.08倍 |
市立万代高校 英語理数科 |
40人 |
71人 |
1.77倍 |
新潟南高校 理数コース |
40人 |
65人 |
1.62倍 |
新潟商業高校 総合ビジネス科 |
85人 |
139人 |
1.63倍 |
市立万代高校 普通科 |
140人 |
214人 |
1.53倍 |
※出典:
🏫 令和6年度(2024年度) 最終倍率上位校
学校名・学科 |
募集人数 |
志願者数 |
実質倍率 |
---|---|---|---|
新潟高校 理数科 |
40人 |
72人 |
1.80倍 |
市立万代高校 英語理数科 |
40人 |
68人 |
1.70倍 |
新潟南高校 理数コース |
40人 |
63人 |
1.57倍 |
新潟商業高校 総合ビジネス科 |
85人 |
139人 |
1.63倍 |
市立万代高校 普通科 |
140人 |
214人 |
1.53倍 |
※出典:
🏫 令和5年度(2023年度) 最終倍率上位校
学校名・学科 |
募集人数 |
志願者数 |
実質倍率 |
---|---|---|---|
市立万代高校 英語理数科 |
40人 |
86人 |
2.15倍 |
新潟南高校 理数コース |
40人 |
74人 |
1.85倍 |
新潟高校 理数科 |
40人 |
72人 |
1.80倍 |
新潟商業高校 総合ビジネス科 |
85人 |
139人 |
1.63倍 |
市立万代高校 普通科 |
140人 |
214人 |
1.53倍 |
※出典:
🔍 傾向と考察
-
理数系学科の高倍率:新潟高校理数科や新潟南高校理数コース、市立万代高校英語理数科など、理数系の専門学科が毎年高い倍率を示しています。
-
市立万代高校の人気:市立万代高校は英語理数科だけでなく、普通科でも高い倍率を維持しており、全体的に人気の高い学校となっています。
-
新潟商業高校 総合ビジネス科の安定した倍率:新潟商業高校の総合ビジネス科は、3年間を通じて高い倍率を維持しており、商業系学科の中でも特に人気が高いことが伺えます。
これらのデータは、志望校選定や受験対策の参考として活用できます。特に倍率の高い学科・コースを志望する場合は、早めの準備と対策が重要です。
出題傾向
【2025年度 新潟県公立高校入試 国語】出題傾向分析
① 読解問題(大問1・2)
-
論説・小説ともに約1000~1200字程度の文章
-
問題数:各5~6問程度で、内容把握・表現理解・要約力をバランスよく問う
-
2025年度は記述(20~40字)も含まれており、単純な知識より文脈読解力を重視
② 古典(大問3)
-
書き下し文と原文を照らし合わせる設問が特徴
-
短い文章ながらも、語句の意味・主語補完・文構造の理解が必要
-
漢文的表現(返り点)も含まれており、基礎知識+読解を組み合わせた出題
③ 言語知識(大問4)
-
主に**文法(活用形、品詞分類、敬語)**と語彙に関する選択問題
-
「主語」「述語」の判定や動詞の活用形など、学校配布の文法教材レベル
-
近年の変化として、誤用判定など実用的な言語感覚も問われている
④ 作文(大問5)
-
指定語句や構成条件がなく、「自由型の意見作文」
-
内容・構成・表現の3観点評価が想定される
-
出題傾向は安定しており、日常的テーマに対する自分の意見+理由展開が鍵
【2025年度 新潟県公立高校入試 数学】出題傾向分析
① 大問1:小問集合(5題程度)
-
計算問題(負の数の乗除、文字式)
-
方程式・比例式の解法
-
作図(垂直二等分線、角の二等分など)
-
基本力の確認が中心。配点が安定しているため確実に得点すべき
② 関数(一次関数中心)
-
座標を扱うグラフ問題(変化の割合、切片、関係式)
-
条件整理→式作成→代入といった構成
-
表の活用や座標を用いた式の応用が出やすい
③ 図形(平面図形・証明)
-
三角形の合同の証明(与えられた条件→仮定→結論の整合性)
-
書き抜きではなく「記述式の証明」が要求される
④ 空間図形
-
立体の表面積・体積、展開図と辺の長さ
-
回転体・切断面など、空間把握力が問われる
⑤ 資料の整理(統計)
-
ヒストグラム、中央値、平均値
-
グラフの読み取り・計算だけでなく「説明力」も求められる
⑥ 複合問題・思考力問題
-
関数と図形が融合した問題(例:動点の位置と面積変化)
-
場合の数や規則性の考察も見られる
-
論理的思考と文章記述力がカギ。差がつく問題
【2025年度 新潟県 公立高校入試 出題傾向】
■ 社会(地理・歴史・公民の総合問題)
大問構成 |
内容 |
特徴 |
---|---|---|
大問1~2 |
地理 |
地図・資料・統計読み取り、時差や緯度経度問題あり |
大問3~4 |
歴史 |
年表・複数資料の比較、歴史的因果関係の理解重視 |
大問5 |
公民 |
現代社会と政治経済、時事的テーマとのリンク強め |
出題形式 |
選択・語句記入・短文記述 |
一問一答+理由説明の融合が目立つ |
ポイント:
-
統計グラフ・図版を組み込んだ「資料読解型」問題が中心
-
時事要素として「SDGs」「衆議院解散のしくみ」「円安」などが反映されている
-
記述量は少ないが、因果説明型の問いが増加傾向
■ 理科(物・化・生・地の4分野+融合問題)
大問構成 |
分野 |
内容 |
---|---|---|
大問1 |
物理 |
電流と回路、オームの法則、作図あり |
大問2 |
化学 |
状態変化、溶解度、グラフ読み取り |
大問3 |
生物 |
消化・吸収、実験結果と考察問題 |
大問4 |
地学 |
火山・地震・天気図、災害との関連あり |
大問5 |
総合 |
知識+実験考察を組み合わせた融合問題 |
ポイント:
-
データを読み取って仮説を立てる「探究的問題」が明らかに増加
-
作図やグラフ補助の出題もあり、手を動かす力が問われる
-
実験結果や反応の変化をもとにした「説明力」重視
■ 英語(リスニング+長文+文法+自由英作文)
大問構成 |
内容 |
特徴 |
---|---|---|
大問1 |
リスニング(3パート) |
英文+イラスト選択+会話把握 |
大問2 |
文法・語彙・整序問題 |
時制・助動詞・疑問文など基礎力確認 |
大問3 |
会話文読解 |
Q&A式での展開、接続語や意図を問う |
大問4 |
説明文読解 |
知識テーマ+400語程度の長文 |
大問5 |
自由英作文(40語以上) |
指定テーマあり、意見と理由を明確に |
ポイント:
-
リスニング比重は高く、3題構成で約15分の配点あり
-
長文2本の語数合計は約700語前後、時間配分がカギ
-
英作文は「経験・意見型」の問題が中心で、定型文の準備が有効
【全体総括】
-
5教科ともに「資料・実験・図表読み取り型の問題」が強化され、思考・判断・表現力が問われる構成。
-
単なる暗記ではなく、条件整理・情報統合・論理説明力のある生徒が高得点を取りやすい。
-
記述や英作文など「表現する問題」が増加傾向にあり、日頃からのアウトプット練習が必須。
コメントをお書きください