東京都 英語 出題傾向と対策

出題傾向

マーク式でライティングが必要になるのはリスニングの英問英答と、メール文の返信文(3文)のみ。他は全て選択式。平均点は50点台~60点台。正答率が低い問題がほとんどなく、わからなくても何かしら選択できるのでラッキー正解も起こりうる。英語が苦手な場合でも読んで意味が取れれば得点を稼ぐことのできるリーディング重視の問題なので諦めない方がよいだろう。

東京都立高校入試の英語、大問4題の「問われ方」を知らずに勉強していませんか

 結論から言うと、東京都立高校入試の英語は2021年から2026年まで大問4題構成がまったく変わっていません。大問1がリスニング、大問2が資料読み取りとEメール英作文、大問3が長い対話文の読解、大問4が物語文の読解です。

 

 この枠組みを知っているかどうかで、勉強の設計がまるで変わってきます。「英語の勉強」として単語を覚えて長文を読んでいるだけでは、入試の問われ方に合った練習になっていません。大問ごとに何が問われていて、どこで点を落としやすいかを先に把握してから演習を積む、これが都立英語で得点を安定させる最短ルートだと私は考えています。

大問1|リスニング―「型」を知っていれば15秒で書ける

 大問1はリスニングテストです。問題Aは短い対話文を3本聞いて選択肢から選ぶ形式、問題Bはまとまった英文(スピーチや館内放送など)を聞いて2問答える形式です。

 

 多くの生徒が油断するのが、問題BのQuestion 2です。聞いた内容をもとに英語で記述する問題で、解答時間はわずか15秒。ここで手が止まる子は多いです。

 

 ただ、2021年から2026年の出題パターンを見ると、質問の形は大きく3つに絞られます。「〜してほしいことは何か(want A to do)」「なぜ〜するのか(Why)」「何ができるか(What can)」です。そして東京都が公式に発表している正答例を見ると、完全な文を書く必要はなく、「To+動詞の原形」や「They can〜」の形で書けば正解になっています。

 

 放送文では、後半に「I want you to〜」「Please〜」「You can〜」という表現が出てきたら、そこがQuestion 2の答えになる可能性が極めて高い。この3つの表現に全神経を集中させて聞き、動詞以下をそのままメモする。あとは型に当てはめて書くだけです。15秒は、型を知っていれば十分な時間です。

大問2|資料読み取り+英作文―「最終段落から逆算する」が鉄則

 大問2は前半と後半に分かれています。

 

 前半は対話文と資料(グラフ・予定表・地図・チラシなど)を照らし合わせて空欄を選ぶ問題です。対話の流れの中で時間・場所・条件が次々と提示され、最終的な答えを資料から絞り込む形式です。丁寧に全文を和訳しようとすると時間が足りなくなります。対話に出てくる「数字」「曜日」「場所の条件」「比較の表現」にだけ注目して、資料の該当箇所と結びつける処理に徹することが必要です。

 

 後半は帰国した留学生からのEメールを読んで、内容一致問題に答えたうえで、3文の英作文を書く問題です。ここで重要なのは読む順番です。Eメール全体を最初から読み進めるのではなく、まず最終段落を確認する。「Do you have〜?」「Please tell me〜」で終わる部分が、自分が英作文で答えるべき質問です。何について書くかを先に把握してから本文を読むと、情報の整理がはるかに速くなります。

 

 英作文の型は「1文目:主張・結論(I want to〜 / I am going to〜)」「2文目:理由(Because〜 / It will help me〜)」「3文目:感情・補足(I can〜 / I think that〜)」です。2026年の正答例を見ても、難しい表現や複雑な文法は使われていません。知っている簡単な単語でミスなく書き切ることの方がはるかに重要です。

大問3|長い対話文―「問7の日記を先に読む」という逆算

 大問3は日本人学生3人と留学生1人、合計4人の対話文を読む問題です。言語とコミュニケーション・目標と努力・悩みの解決・新しいアイデアといったテーマで6年間続いており、ポジティブで身近な話題が続いています。

失点しやすいのは、登場人物が4人いるために「今誰が誰に向けて話しているか」「誰の意見への賛成か」を読み違えるパターンです。「I do, too.」「That's right.」といった同意の表現や、he/she/theyなどの代名詞が出てきたら、誰の発言を受けているのかを必ず確認しながら読む習慣が必要です。

 

 設問の問1〜問5は下線部の意図や理由を別の英語で言い換えた選択肢を選ぶ問題ですが、正解の選択肢は本文の表現をそのまま使いません。同じ意味を別の単語で言い換えたものが正解になります。本文の「hard」が選択肢では「difficult」になっているといった言い換えのパターンに慣れることが得点力に直結します。

 

 最後の問7は留学生が書いた日記で、その日の対話の要約になっています。ここで使える解法があります。本文を読み始める前に問7の日記をさっと確認しておくと、「今日の対話は誰がどんな問題を抱えていて、どう解決したか」という全体の流れがつかめます。本文が格段に読みやすくなるので、過去問演習では意識してこの順番を試してみてください。

大問4|物語文―「成長ストーリーの型」を先に知る

 大問4は中高生を主人公とした物語文です。ボランティア活動・学校行事・留学生との交流・部活動といったテーマで、2021年から2026年まで同じ型のストーリーが出続けています。

 

 展開のパターンはほぼ固定されています。最初に主人公が困難や悩みに直面し、友人・先輩・先生からのアドバイスや出来事をきっかけに考え方が変わり、自ら行動して成長する、という流れです。このパターンを知っているだけで、長文を読むときに「今は悩みの場面か、転換のきっかけの場面か」という見当がつきます。読む速度と正確さが変わります。

 

 設問の中で特に失点しやすいのが問1(下線部の指す内容)と問2(出来事の並べ替え)です。

 問1は「that」「it」などの指示語が何を指しているかを問う問題で、答えは必ず直前の1〜2文にあります。

 問2の並べ替えは、段落ごとに「誰が何をしたか」を一行でメモしながら読む習慣をつけると、選択肢を見るたびに本文を読み直すという時間のロスがなくなります。

 

 問4は「主人公は最終的に何を学んだか」を問う問題です。物語の核心は、主人公の考えを変えたアドバイスにあります。悩みの場面の後に登場するキーパーソンの発言に波線を引く習慣をつけておくと、この問いに対する答えをすぐに見つけられます。

「問われ方を知ってから量をこなす」という順番

 残念ながら、一般的な英語の指導は「単語を覚える→文法を習う→長文を読む」という流れで終わることが多い。入試でどう問われるかを先に把握した上で演習を積む、という設計になっていないわけです。

 

 重視すべきは、大問ごとの出題形式を先に把握してから、それに合わせた練習を積ませるという順番です。都立英語は6年間構成が安定しているので、「今週は大問1のQuestion 2を型で書く練習を10本」「今月は大問2のEメール英作文を3文の型で仕上げる」という具体的な行動に落とし込めます。何をすればいいかわからないまま英語の問題集を解き続けるより、はるかに効率が上がります。

 

 お子さんの英語の勉強が「とりあえず長文を読んでいる」「単語帳を繰り返している」だけなら、一度立ち止まって確認してみてください。4つの大問それぞれで、問われ方に合った練習を積めていますか。

【出題事例】

●2023年

1リスニング(5問20点)

問題A対話文(3問)

>>質問の答えを選択する

 

問題Bスピーチ(2問)

>>質問の答えを選択する

>>英語の質問に英語で答える(記述)

 

2資料付き対話文(3つの文章24点)

資料の内容にあうように組合せを選択する

メールの内容にあうものを選ぶ

メールの返信文を書く(3文、文脈に合うように、理由も書く)

*ライティングは12点満点

 

3対話文読解(28点)

理由選択

言い換え文の適文選択完成

傍線内容選択

本文要約文の適文選択完成

本文要約文の適語選択完成

 

4長文読解(28点)

言い換え文の適文選択完成

文章整序

本文の内容に合うように適文選択

英問英答選択


●2022年

1リスニング(5問20点)

問題A対話文(3問)

>>質問の答えを選択する

 

問題Bスピーチ(2問)

>>質問の答えを選択する

>>英語の質問に英語で答える(記述)

 

2資料付き対話文(3つの文章24点)

資料の内容にあうように組合せを選択する

メールの内容にあうものを選ぶ

メールの返信文を書く(3文、文脈に合うように、理由も書く)

*ライティングは12点満点

 

3対話文読解(28点)

理由選択

言い換え文の適文選択完成

傍線理由文の適文選択完成

文章整序

本文要約文の適語選択完成

 

4長文読解(28点)

言い換え文の適文選択完成

文章整序

本文の内容に合うように適文選択

英問英答選択


●2021年

1リスニング(5問20点)

問題A対話文(3問)

>>質問の答えを選択する

 

問題Bスピーチ(2問)

>>質問の答えを選択する

>>英語の質問に英語で答える(記述)

 

2資料付き対話文(3つの文章24点)

資料の内容にあうように組合せを選択する

メールの内容にあうものを選ぶ

メールの返信文を書く(3文、文脈に合うように、理由も書く)

*ライティングは12点満点

 

3対話文読解(28点)

傍線内容

言い換え文の適文選択完成

本文の内容にあう英文の適文補充完成

本文要約文の適語選択完成

 

4長文読解(28点)

言い換え文の適文選択完成

文章整序

本文の内容に合うように適文選択

英問英答選択


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